お盆 お墓のこと

地平線の夕日

おはようございます

le vent です

今年のお盆は 何時の間にか始まり何時の間にか終わっておりました!   

近くにお寺がいくつかあるのですが 塀の横を通ることはあっても境内に入ることは全くありません 観光名所でないだけに敷居を高く感じます 都会のお寺はいったい誰がお参りしているのだろうと 檀家でもなく 昔からの住人でないだけに広く静かな境内を覗き込んでは思うのです 幼い頃育った小さな村のお寺や神社とは趣が違います お寺や神社の境内は 村の子供たちには格好の遊び場でしたが 今やそのようなことは住居侵入罪になるような気配があります 

お盆の思い出というのは祖父の家に居たころがすべてで 仏壇の前には数々のお供えがあり 涼し気な色と柄の提灯がいくつも並び 中の蝋燭の炎が揺れる度にその提灯の柄が浮かび上がり 子供心に日頃見ない光景に立ち止まって見ていた記憶があります おそらくお坊さんのお経もあったのでしょうが はっきり記憶にはありません

夕闇が迫る頃 村人たちはお墓詣りに向かいました 墓地は山裾の小さな丘にあって街灯も車のヘッドライトもない当時 提灯の灯りで足元を照らして三々五々お墓に向かったものです 辺りが暗くなるにつれ提灯の橙色の小さな灯りが 青い闇の中を移動するのが見えていました 特に初盆の家では長い竹竿にいろいろな形の提灯を竿の端から端まで幾つも通してぶら下げてお墓に向い 亡くなった方の初盆を弔う風習がありました 竿の両端を男性が担ぎその揺れる提灯の列のあとに親族がついて行くという光景を 提灯の数を数えながら毎年のように目にしました 

数十年して昼間に訪れた墓地は松や木々の雰囲気もそのまま 区画整理も無く 登り口の古い小さな井戸もそのまま 狭い滑りやすかった小道が簡易舗装になっているだけで 昔と同じ風が吹き抜けていました どのお墓もきちんと手入れされ 彼方此方にお参りしたばかりという生花が手向けてあり 思い出のまま風景でした ただ墓石だけは新しく建立したと思われるものが殆どになっていましたが

子供の頃から自分も先々この墓地に葬られるのだという勝手な思い込みがあったのですが その気持を管理者に伝えると 許可する前に一つの条件を言われたのです 「常にお墓を綺麗に管理すること たまに思いだしたように誰かがやってくるだけなら許されない」ということでした ご先祖様のお骨は もうこの墓地にはありません 虫のいい相談をしたものです

幼い頃のこのお墓の印象が強いのは 家族の絆の強さを教えられていたからでしょう もうこの村には顔も知らない遠い遠い親戚しかいません さあ 鬼籍に入った時の場所を決めなければならないのですが 納骨堂も美しい造成墓地も散骨も樹木墓地も なぜか気持が向きません 

笑えます! まるで住宅を選ぶかのように選択しています!! どこにしよう。。。

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