おはようございます
le vent です
過去に学歴で印象にの残った方が二人います 学歴コンプレックスを直接聞いたわけでもありません
職場で簡単な英文の手紙が話題になっていた時 離れた机の向こうからこっそり英文で作成した手紙を渡されました 添削してくださいというのです その内容は話題に添ったものでした 職場は女性ばかり学歴は大学卒高校卒交じっていました 英文手紙を渡してくれた女性は高卒だったのですが 彼女は通信高校卒で そのことは誰も知らないことでした
義務教育を終え集団就職で都会に連れてこられ 通信教育で高卒という資格を取ったという努力家の彼女です 素晴らしいと思うのですが 皆と同じような高校時代を過ごしていないという思いが 引け目としてずっと心の奥に潜んでいたかのようで 職場の話題が少しでもアカデミックな方向に向くといつもこっそり何かしらの行動を起こしました 自分を確かめるかの如くその都度そっとle vent に近づいてきました 最初怪訝に感じていたのですが「あの人たちには負けてない」という彼女の強い気持を感じるようになりました
集団就職は家が貧しかったという理由ではなく 父親の再婚相手の継母が決めたことで 可哀想だった と後に関係者から耳にしました 中学の先生が何度も進学の許可を願って家庭訪問があったらしいのですが 彼女より一才年下の義妹にあたる娘を連れた継母は首を縦に振らなかったという まるで昔の少女漫画の筋書きです 勿論その義妹は進学しています それにしてもなんと情けない高学歴の父親でしょうか
le vent が過ごした昔の小さな地方都市には 中学が2校高校が2校という街で 街をほぼ二分した学区制が引かれていました 中学時代からスポーツなどの交流でお互い顔見知りが多かったのです 高校進学では学区は無くなり入学後のクラス編成は隣の中学の顔見知りがいるような環境でした
社会に出て数十年も経つと同窓会がお決まりになりました 出身中学 出身高校別の各々の同窓会は勿論開催されれます 特に高校の同窓会になると出席者の出身中学を間違う程 人と人の距離が近いのです 中学の同窓会には欠かさず出席する男性の同窓生の中に高校の同窓会には全く無関心という方がいます その機会があって誘った時にもはっきり拒否されました 何故? その返事は 「みんな大学卒だろ」でした
弟妹のために大学進学を諦めその弟妹を進学させるという話題をよく聞く時代でした 会社を興し社会的にも成功者と思います 彼は男性出席者の多い高校の同窓会は必ず欠席です 同窓会で彼を男性方が特別視している気配は感じないのですが 彼には彼だけが感じる視線 言葉のニュアンスがあるのかもしれません どうせ彼の僻みだろうという姿勢もあるかもしれません 確かに中学の同窓会は圧倒的に女性が多いのです 社会が貧しかった頃の地方の中学生 その先にあるのは集団就職でした 集団就職した女性が都会に多く残っています
人生ももう残り僅かになりました 取り戻せないのは時間です 大学の絶対数も少なく社会的にも経済的にも選択肢の少なかった頃に生きて来た le vent の世代です 同窓会では皆昔に戻っているとは言っても 知らず知らずに過去の名刺の肩書きの態度が抜けない人 それらの自覚の有無が見えない人間性 それらを感じれるのも同窓会です ずーっと昔から人の世はこの繰り返しなのでしょう
経済的に社会的に満足しても 何か心が満たされないことの原因でもある学歴 大学のランクは関係なく大学卒という学歴の無さの悔しさ 取り戻せない時間 頭脳的にも人間的にも優秀な人達 本人の選択でもないのに取得できなかった学歴は なぜ個人に様々な線引きするのでしょうね・・・