おはようございます
le vent です
毎年楽しみにしている公園の桜ですが 今年はいつもとどこか違う印象を受けます
例年真っ先に咲き出す公園の桜の木は 真ん中辺りに枝を広げ かわいい八重のピンクの花をつけます 愛犬バッハと公園に行く度に 枝先の蕾の膨らみを楽しみに観察していたのですが いつの間にか例年最後にやっと咲いていた他の桜が さっさと咲き始めていたのです
その咲くスピードは速くあっという間に木の天辺辺りまで広がりました 例年なら公園の入り口に立つと 満開した桜が目の前に数本占めぎ合い ピンクの壁になって迫り 華やかで 綺麗で 桜の匂いにむせ乍ら桜を楽しめます が今年はまず公園の隅にある大きな桜に目が行きます
まだ散る時期でもなく木々がむしろ咲き急ぐ頃に 遠くから歩道の一部が白く盛り上がっているのに気づきました 近づくと横の一本の桜だけが 何故か散っていたのです 枝の下から乱暴に振り落としたかのように 蕾を残し花弁を付けた花が歩道を塞ぐように落花していました 若い桜の落花は痛々しく残念です 幾つかの花を拾いバッハの背中に乗せて飾り名残を惜しみました 初めて見た散り方です
満開を誇ることもなく早々に葉の新芽が顔を出しはじめ 桜花と共に枝を埋めています 公園の桜に限らず同じように葉が芽吹いている桜は 近所にも見かけます 白やピンク一色の桜の木とは違う印象です 桜の色と緑の葉の微妙な色合いの枝や木は それなりの美しさですが「今年の桜はせっかちね」とついバッハに問いかけるのです
毎年葉の新芽が顔を出すころには 花びらが風に乗って惜しげもなく一斉に舞い 花吹雪という表現がぴったりですが 今年は舞うことはあっても申し訳程度のようで散り際の潔さを感じません 公園の小さな側溝は例年花びらで分厚く埋まり 歩道は隙間なくピンクの絨毯となります 今年の桜はいまだに緑の葉の間にしがみついています
咲き始める頃の桜の可憐さ 満開の桜の 花束のような豪華さ 花吹雪のような散際の美しさ 潔さ そして隙間なく歩道を花びらの絨毯にしてしまう優しさ 今年は 自分の中にある桜の記憶が違います 来年はいつもの桜に戻ってほしいと思ながら バッハとの早朝散歩をしています