おはようございます
le vent ・・
愛犬バッハが 亡くなりました 突然のことでした
いつも横にいて当然のバッハ もういません 日が経つにつれ部屋の隅々で目についたバッハの長い抜け毛も バッハの匂いも消えていきます バッハと呼ぶと横になった姿のままで 目でママの姿を追っていた姿 動けなくともせめてママの動向が分かる場所に寝ていたかったバッパ その時のベッドだけが部屋に残っています ハッハがよく使っていたクッションにバッハの匂いが残っています
バッハの死はあまりに突然でした その死を前にして何故か落ち着いている自分に気づいたのです バッハとの生活は 人生最後の大事なパートナー故 後悔がしないよう精一杯大事に十分可愛がって過ごすという決心からスタートしました 許される限り実行してきたではないか となぜか約束を履行したことへの納得に思いを寄せ その分析する余裕さえありました ただ その冷静さはホンのわずかな時間で 突然一気に箍が外れました いつも目の端にいたバッハがいなくなった 一人呆然とすごす日常 言葉にできないバッハへの溢れる想い 涙がとまらなくなっていきました
お葬式を終え 部屋にはバッハの大きなベッドと四つ切にした写真が壁から見下ろすのみになりました フワフワの長い毛に覆われたハッハの肢体はなく 寝ているバッハの体にお構いなく被さって バッハ大好き と耳元で囁いていた毎日のルーティン その唯一のバッハのぬくもりを感じる安心感もなくなりました 想像以上に静かな部屋 音のない部屋 重苦しい寂しさと悲しみだけがこもっています
この空間と時間が人生の残りの間続くのだと それに耐えることがこれからの人生なのだと その現実に圧倒されます その日まで寡黙に静かに生きて行かざるを得ないことを考えると なんという寂しい厳しい人生の黄昏であるか バッハというパートナー 病であろうと 寝たきりであろうと バッハへ愛をこめて関わること それがパートナーとしての覚悟であり それを甘受し生きがいにしていたのに 素晴らしい時であったに違いないのに 失ったバッハの存在の大きさに愕然としました
バッハは人生最後のパートナーとして共に生きて来ただけにペットロスとして片づけることはできず その早すぎる死は 相手がペットであるからこそ アイコンタクトのみで交流してきたからこそ 手に負えない寂しさと哀しみが湧き出でるようになりました これからは一人で生きていくしかないのです 残りの人生バッハのようなパートナーはもう求められない年齢的な制約 葛藤が襲います
人に会うのも 話すのも メールさえも恐ろしく できるだけ生活音を立てず 明かりも漏れないように 密やかに部屋で呼吸し ゴミの日の朝は誰にも会わない時間を選んで出す習慣が付きました
動物霊園の遺族への優しい思いやり 労り 丁寧な弔い 法要 清潔で心が和む墓苑 沢山の墓石 立派な供養塔 絶えないお線香の煙 訪れる度にどれほど癒され助けていただいたかしれません 同じ哀しみを抱いた人たち 法要のたびに読経の中にバッハの名前があり 天国に行ったのだと徐々に認められるようになりました
可愛いバッハ ダンディだったバッハ 苦しいのによく頑張ってくれたのね 待っててね 必ず行くから それまで お友達と楽しく過ごしてね
ママは バッハが世界で一番好き バッハありがとう