こころ旅 角島 2011

地平線の夕日

おはようございます

le vent です

俳優の火野正平さんが 視聴者のリクエストに応えて日本中を旅する こころ旅 という番組がNHK BSにあります 毎日見ているというわけではありませんが心に残る番組で チャンネルを回している時 番組の予約の時 録画の時など 出会うとつい見たり 録画したりします

視聴者の心の記憶をたどる旅です 春の旅 秋の旅 と南北に長い日本列島の季節の移ろいに応じた旅が繰り広げられます 人の営みの記憶は日本の国土の隅々に存在し 地図や旅のパンフレットでは知りえない人の関わりがあった場所を見せてくれます もう朽ちた場所 開発された場所 累々と守られる場所 幸せだった場所 泉 川辺 などその心の記憶には コンクリートとはほぼ無関係だったころの国土の美しさを教えてくれます  

人の記憶の景色は郷愁だと思っていても 長い時の流れは無残に変化していいる現実に口を閉ざすこともあります が それでもお天気の良い日のその風景には思い出 と共に美しさが際立つのです 田園の中を走る正平さんの周りには 田んぼの青々とした稲が風の波を見せてくれ お便りを読む場所では 恐らく昔とあまり変わらない風が吹いているに違いないと思います が しかしその風には昔には無かった科学物質が含まれているのだ などと現実に水を差したりします

この旅の番組の良さは自転車という乗り物だと思っています 見るからに軽快な自転車で移動しています が電動式ではありません ひたすら自分の足でこぐしか動きません お天気に関係なく目的地に向かう姿 番組の始まったころからすると正平さんの顔の白髪も増え 体の張りもいくらか少なくなっています 毛虫にさえ優しい ヘビにも優しい 人間にはもっと優しいであろう正平さんの 独特の感性が伝わり安らぎます 

長く続く番組の中の多くの場面から選出されていた 「こころ旅 クラッシック2011 角島(つのしま)」 海に沈む夕日の柔かな光の漂う中で 視聴者の はがき を読んだ後の正平さんのその表情と沈黙は なぜか心に残りました 風と潮騒に満ちた灯台 なだらかな地形の穏やかな角島 非日常の時間が淡々と過ぎる島です 心が休まる島です 素敵な島です   

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