墓地 パンチボウル

地平線の夕日

おはようございます

le vent です

半世紀余も前 社会に出て間もなく初めてハワイに旅しました アメリカは憧れの国であったことは当然ですが地図を見ても遥か遠い国 当時地方に住んでいたle ventには 東京という都会さえ遠い所 簡単に行ける行く場所でもなく ましてアメリカは異次元の国のように思っていました 最近と違って情報を得る手段も限られ 高校時代アメリカへの留学を夢見て必死に調べて得た情報は進学雑誌にあったフルブライ留学のみでした 先生に相談に行くと「なんだそれ・・」でお終いでした 

高校時代 近い世代の方々のアメリカ留学体験記を読む機会もありましたが当事者すべて東京の方々 いいなあ うらやましいな と思うだけ 電話さえ各家庭に無かった時代 高い電話代 自分の置かれている環境からして 格差という言葉はまだ周知されてなく 身分が違うのだ という諦めで過ごした青春時代です 

ハワイは見るもの聴くものを始め 様々な公共の設備 サービス マナーなどすべて目を見張る文化の違いに驚きと戸惑が先にたち 怖気けることもあったように思います アメリカ ハワイという国の豊かさに圧倒され 地の底から空を見上げるような経験をした日々です カウアイ島 オアフ島 マウイ島 ハワイ島の4島を巡った贅沢な旅でした 空気も風も日差しもすべてに感動した気がします 

オアフ島の観光の中に パンチボウル があったのです 旅の主催者の目的は恐らくパンチボウルのある高台からの展望だったかもしれませんが その美しい芝生の公園が墓地であることを知った時の驚きは言葉になりませんでした ホノルルや果てしなく広がる太平洋の展望より墓地の美しさに魅かれ 芝生に整然と並ぶ墓碑のプレートは美しく見えました 広い墓地のあちこちに置かれていた小さな花束が プレートに寄り添い 墓地であることを示していたように思います 

お天気がよく爽やかな日差しの中であったにしても 芝生の上を通り抜ける風 穏やかで爽やかな時間は 墓地に持っていた日頃の感覚とは全く違うものがありました 郷里の墓地の特別な雰囲気や見上げる墓石とは違い 足元に設置されている墓碑のプレート 恐らくその下に眠っている愛しい方々 日本なら亡骸を見下すなど飛んでも無いこと! と言われるに違いないと感じたものです

初めてのハワイ 初めてのアメリカ 様々な価値観の違い 文化の違いを身近に感じたのが お墓という最も尊い死者へ弔い方の違いで知った旅だったように半世紀たった今でも思いだします 

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