おはようございます
le ventです
宮家のお姫様のご結婚が話題になっています 社会的身分が全く違う庶民がその価値観で意見を言ったところでどうなるものでもなく ご身分の高い方々は下層の者たちに自由に発言させるような姿勢だけで問答無用 お決めになったことを知らしめてお終いのお話です 毎日毎日嫌になる程耳に入るニュース 単純に言えば若い男女の恋愛のお話で片方が姫様という高貴なお方であるだけのことです
TVもネットも姫様に対する意見は遠慮しているのか全くありません 自由になりたいという姫様のお気持は映画のストーリーのようでハッピーエンドを期待していたのですが 庶民が崇めている気持を無視するような 何が何でもという強さだけが感じられます 宮家と庶民を比較するなと非難されそうですが 単に恋愛に限れば庶民にも生まれながらも家に縛られるというお話は山程あるように思います
幼い頃育った祖父の家は 山々に囲まれた田んぼの中を小さな川が流れている盆地が山々を境に隣り合わせにあるような農村にありました 山裾に数件ずつあった農家 夕方になると黄昏の灯りの中に蚊遣火か 炊事の煙かが漂って見える絵のような風景でした が 幼い子供ながらその貧しさは感じられました その最たるものがトイレです 母屋には無く 隣粗末な納屋の中に設えてありムシロで囲っただけのものもあったのです お風呂も青天井でした 強烈な記憶です
母屋は横に長く端の方にある入り口の引き戸を開けると広い空間になって その半分は土間でかまどのある台所 半分は一段上がって板の間 その境の真ん中あたりに囲炉裏がありました 室内は昼間でも暗く黒光りしすべてが真っ黒 板の間の後ろは壁の様に黒い引き戸が並んでいたように記憶しています その奥に部屋がありました
何もない薄暗い部屋には お仏壇と場違いの立派なフレームに囲まれた見たこともない身なりのお二人の写真が 必ずどこの家にも見下ろすように掲げてありました 幼いながら 誰だろうか? と思ったのですがなんとなく違う世界の方々の存在をこの頃から知ったように思います
地方行幸に出会ったことがあります その通られる道沿いは数か月前から清掃が始まり一本の雑草さえも無く仕上がり 庶民の暮らしなどお知りになることも無く道路を車列は進まれ 二階の窓からの歓迎には早々に禁止が告知され 人垣の後ろからジャンプしながらその車列を拝見した経験もあります
ご希望の自由を獲得なさる姫様の自由は 庶民とはハナから質も程度も違います 庶民からみれば高貴な地位相応の 夢のような自由です 世界の歴史は自由獲得のための普通の人々の 闘いの歴史が刻まれてきました 姫様はその中の1ページになられるのでしょうか あの薄暗い仏間の写真を なぜか思い出します