おはようございます
le vent です
閉塞した毎日で叫びたくなる時があります
全く音のしない日中 部屋の中にいると耳に入るのは思いついたようにうなる古い冷蔵庫のモーターの音 愛犬バッハの息づかい 耳の奥で鳴る小さな耳鳴り その中でじっとしています 愛犬バッハが股関節を患い 外の暑さもあってお散歩もお休み 昼間外に得るのはお洗濯物を干す時ぐらいで人に会うこともありません
夕方やっとスズメ達の餌の催促のおしゃべりが聞こえ 時々外を歩く学生さん達の話し声が耳に届きます それにしても若い方々の声は なんと明るくみずみずしい響きがあるものでしょう 少し顔を上げる気持ちになります
毎日 毎日 ほぼ同じ空気の部屋ですが 閉塞感100パーセントの飽和状態にある日と殆どそれを感じない日の違い その原因はどこにあるのだろうと思うのですが一概にお天気のせい 体調のせいとも言えない何かがあります
空気に押しつぶされないように毎日TVは入れっぱなしです 好んで合わせるチャンネルはジオに関するものや 自然に関した内容のものです 唯見ているだけで時が流れ 殊に遠い時代の不可思議な風景 秘境や 気候 大地などの紹介は飽きることがありません 様々に好奇心をくすぐってくれます
それにしてもそれらの番組に伴うナレーションに「絶景」という表現の多いこと多いこと 始めて立った場所の景色はほぼすべてが「絶景」です その一言だけですべてが完結です 「始めてみる絶景」という表現さえもあります 絶景の定義があるのか 単に語彙が少ないだけなのか 聞いていると欲求不満になります 画面越しに見ているものには 単なる絵葉書だからです
最近の絶景と断定する風潮は意地悪く言えば 自然に恵まれた日本の風景などどこでも絶景だらけです タレントさんの小さな紀行番組など 入り江の風景でも絶景 入り江の外の水平線を見ても絶景 咲き乱れる季節の花々を見ても絶景 他に表現する語彙が無いのであれば 黙って映像を流すだけの方が 見ているものにはすっきりします
「絶景の判断」はそこに立った方の表現の特権ですが 余りに安易に使われると食傷気味になり 絶景に変わる語彙を知りたくなります