病 「転移」 

地平線の夕日

おはようございます

le ventです

「心配すると思い連絡しなかったけどまた入院です 肺に転移したようです」と 携帯にも固定電話にも留守電を入れていた友から電話が来ました 昨年彼女の入院を知って驚き病名を知って更にびっくり仰天してからほぼ丁度一年です

お互い一人暮らし 大学で同じ専攻をして以来の長い付き合いです いつも穏やかで親切な彼女 自然豊かな環境での暮らし とても信じられない病の告白でした 昨年も今年もコロナ禍の中 遠くに住む彼女を尋ねることもお見舞いも自由にできません 心配だからとこちらが一方的に連絡してよいものか 彼女はその環境にあるのか も 分からず途方にくれました  

ガラケーの携帯電話を使っていた彼女のお見舞いに考えたのがメールです 毎日欠かさず送りました 病のことには一切触れず その日の体調を伺いを挨拶にして ニュース等で感じたこと 思いついたこと 身近な話題 学生時代のこと 当時の映画の話題など 毎日話題は変わりました 最初はぎこちなかった彼女の返信も次第に明るさと勢いが感じられるようになり 幾らかまた彼女との距離が近づき戻ってきました   

彼女は臓器を一つ失い 訪問看護師さんのサポートを受ける一人暮らしに戻ったのです 訪問でのお見舞いは相変わらず不可 禁止 一方連絡はメールに代り電話になりました 徐々に彼女の電話のかすれていた声にも昔のつややかさが戻って「昔の明るい声になってきたわ!」と電話の度に感動を伝えていたのです それだけに「転移」と聞いてまさに「エーッ」という叫びしか出ませんでした

「仕方ないか・・と思う」と 昨年の告知時に受けた時程の動揺はないの と低くつぶやく彼女の心の中はいかばかりだろうと動揺を抑えた声で話し聴くことしかできませんでした

今の病室の彼女はガラケーからスマホに進歩しています 不得手な誘導ながらも le ventのアドバイスでやっとラインの交換がスタートしました しかしスタンプも写真もその他諸々まだ未使用です スマホへの様々なチャレンジがいくらか病を忘れる時間になり ラインの楽しいスタンプが笑みを呼ばないか など内心願います 

再入院ですが お見舞いはメールからラインへ変わったのみ その話題の選択は昨年と変わらず 違ったことは ラインの「既読」のタイミングで彼女の様子を幾らか感じられることです 写真の交換はしたくありません 十数キロ痩せたという ふくよかだった彼女の言葉です 写真を見てもおそらく返す言葉が見つからな気がします 

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