白川義員さん 握手

地平線の夕日

おはようございます

le vent です

昔 街の本屋さんの店頭で強いインパクトのある写真集に出会いました 表紙だったかページをめくった時だったかは記憶にありませんが 多分とてつもない高い山であろう頂上付近の静かな写真でした その写真から伝わる 圧倒的な存在感と迫力 息を飲む美しさ 静寂さなど 見たことの無い姿と言葉に出来ない山の息づかいが漂ってきました 

それまで写真と言えば 個々のスナップや記念写真 せいぜい風景写真でしかなく まずその被写体に驚きました 頂上直下 絶壁に違いない斜面を覆う雪の山肌 朝日にミルクティのように染まった雪の色 チョコレートクリームのような滑らかなその表情 初めて見る山岳写真でした このような世界があるのかとただ驚き 美しさに感動し暫く見つめていた記憶があります   

写真集の題名は不確かですが 写真家 白川義員さんの「ヒマラヤ」だったと思います「義員」という名前を読めず 白川? さんと暫く呼んでいました 白川さんの写真は 手にしている自分には遠く及ばない しかし地球上の現実 延々とつながった過去から現代の自然の姿 なぜかたまらない魅力があります 白川さんの写真は可能な限り見てきました 飽きることはありません

都会に住み始めてしばらくした時 大きな百貨店で白川さんの写真展が開かれたことがあります 忘れることの無かったあのヒマラヤの写真の撮影者です 白川さんご本人が来場なさることを知り 更に関心が高まったように思います 写真展のテーマは 地球の原風景に繋がるインドの地方?の写真風景だったように記憶していますが 不確かです 出かけた目的は写真は勿論ですが ご本人の姿にあったからです

帰り 会場の出口で白川さんが来場者と一人一人握手なさっていました 勿論列に並びました 自分の番です それまでの関心事はどこかに飛び 周りは何も見えなくなった程の高揚感でした 写真そのままのお顔が目の前にあり 握手していただいたのです ヒマラヤの写真等から思い描いていた手や掌とは全く違い 穏やかな態度と本当に優しく柔らかで温かな掌でした 未だにその感触を覚えている と 信じています      

最近 BSアーカイブスで 白川さんの撮影に密着したドキュメント番組を見る機会がありました 地上数キロ 数千メートル上空での見わたす限りの原始のような山波の中 夜明け前の一瞬は 雲は湧き 雪に覆われた静かな風景です 目的の山の山頂付近を 酸素マスクをつけ 山が持つその特別な世界 そこにしかない姿 思い描く瞬間を 小型飛行機で旋回しながら窓を開けた状態で撮影するのです それは命がけの撮影でした 朝日が真っ先にあたる山頂が見せる美しい瞬間 地上からは想像さえ出来ない光景です そのご苦労の上の写真に感動しています そしてその誘いに感謝しています 

  

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