蝉 セミの抜け穴 

地平線の夕日

おはようございます

le vent です

数年前 庭とも言えない通路の木の根元に丸い穴があるのを見つけ 踏み固めた通路横のその穴はよく目立ちました 何の穴だ?と気になり見回すと 結構多くの穴があちこちにあるのです 大きさは直径2センチ程度 かっちりと口が空いていました  

怖いもの見たさもあるのですが 理由が分からなければ怖くて通れません ヘビが出てきたらとか 見たことない虫や爬虫類が出てきたらとか 幼稚な想像をして怖がりながらも 恐る恐る近寄り 砂を入れたり ジョウロから水を流しこんだりしたのですがなにも出てきません

冷静に考えたらその穴を発見するのは いつも夏 近くに多くのセミの抜け殻を見るなど セミの抜け出た跡とわかるはずなのですが セミは地中から出てくるということは知っていても まさかしっかりと穴の口が残るということは全く想像外です 

セミの抜け殻は木やフェンスの所かまわずしがみついていて その努力の跡が見受けられます 細い枝の葉先にぶら下がる抜け殻をみると 穴からわざわざこの位置まで登らなくとも とそのひたむきさとエネルギーに感動します

最近 その穴の出口に体を半分出して絶えているセミを見つけました なんとも言えない哀れさを感じ静かに木の下に移してやりました セミは7年間も地中にいて地上に出てからは短命だと聞いています 夜間偶然に脱皮の最中のセミの姿を見つけたことがあります 静かにゆっくりと脱皮していきました 白っぽく半透明に見えたのはライトのせいかなと思っていますが

神社の境内や木立では 渦巻きうなるような多くのセミの鳴き声に体が浮き立つように感じたものです 最近その機会がありません 藤沢周平さんの[蝉しぐれ」は美しい文章と蝉の渦巻きうなるような響きがBGM のように流れていて あの渦巻きうねるような響きは「しぐれ」なんだと 納得したものです

これからセミの死骸が道路によく見受けられます 無残に踏みつぶされたセミの死骸には謝り 羽根が奇形のセミ うまく飛べなくてもがくセミ 見かけてそのまま見過ごすことはできません 必ず道路わきや草の陰に移しています ひと夏の命 精一杯鳴いて命を謳歌してほしいものです

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