おはようございます
le vent です
年齢を重ねるというのは昔の記憶が鮮明になることかも と勝手に思う程いろいろな記憶がよみがえります もう50年程昔になりますが 初めてハワイに行ったときの記憶もそれらの一つです
思い切って四島を巡りました オアフ島の空港ビルは今とは雲泥の差で他の島への飛行機の搭乗はビルの1Fの待合から直接 遊園地の改札のような簡単な改札口を抜けて飛行機の待つグランドに出るようになっていました 改札口にチケットをもぎる係の女性が一人立っているだけの風景でした のどかだったと思います
離島への搭乗口は質素でも ビル内のコーヒーラウンジや ショップは これがアメリカなんだと圧倒的な豊かさで眩しく 映画で見ていた光景と違わないことに目を見張りました 行き来する外国人の耳慣れない言葉 声の響き 大きな肢体 ことごとくに及ばないと萎縮して 遠慮して 増々小さくなっていく自分を意識しました
マホガニーのどっしりしたU字型のカウンターがヤツデの葉のように広がったコーヒーラウンジ コーヒーを飲むにも緊張しました 現在では考えられないことですが 外国人に その環境に 文化に 風に 匂いに すべてに遠く及ばない さすがアメリカという羨望 目の前の光景に驚きと劣等感を抱いたように感じます
観光客の夕食は 夕暮れのワイキキのヤシの木陰でバイキング式 その後近くのヤシの葉で覆われた小屋でのポリネシアンショー 色々な料理の想像を裏切る味 聞き取れない英語 日本ではまだ外国語会話が珍しかったころのこと 大勢の外国人の観光客がショーのスピーチにどよめいても ポカンとするしかなかった恥ずかしさ 最初のハワイでの思い出です
その後訪れたハワイは 夕食もポリネシアンショーも すべてホテルの中の近代的な場所でした あの時のひんやりと冷たい足の裏の砂の感覚 潮騒など 望むべくもなく ヤシの広場も小屋も消えており 夕闇に包まれていくワイキキの海岸が松明で風情を醸していた思い出は 遠い夢になっていました
全く人気のない海岸のトイレに トイレットぺーパーがきちんと備えてあったことに仰天した遠い過去 誰が管理してるの!!と見まわしたこと ワイキキで日本から持って行った花火を楽しんでいたら policeに銃を向けられたという友の 嘘のような本当の話 飛行機の中で迎えたbirthday 目覚めたらクルー全員のサインで埋まった小さなおもちゃの飛行機をプレゼントされたこと 年を重ねることは思い出も増え なお鮮明になります
今や外国への違和感も劣等感も無くなりました もう時の流はありません 老女は消えゆくのみです