おはようございます
le vent です
日本に長年居住する外国人の生きざまや生活 日本への思いなどを紹介するテレビ番組があります 時々チャンネルを合わせることがあります 先だっての出演者はヨーロッパから来日 日本人と結婚しご主人の出身地近辺の田舎に住んでいる若い明るい女性でした ご近所の方々とも気さくに巧みな方言で交流できる程言葉は見事で 方言に限らず滞在期間を考慮しても日本語の非常に上手なご婦人でした
番組の中で「私の好きな風景」というのがあって 居住地の近辺で日頃親しんでいる風景を紹介案内するコーナーがあります その女性が楽しそうに案内してくれた場所は 自宅近くのなんの変哲もない地方ならどこにで見かける集落の小さな川 その川にかかる石橋からの風景だったのです 川の近くには民家もあり 橋から見下ろす川は水量も少なく川底が見え 石や草の間を緩やかに流れる川面で特別に特徴もない川でした
大きな石や岩の隙間や土手近くには草が茂っています 岩が重なって段差になり小さな滝がありました 夏には子供たちが川遊びするような川で地域に密着しているような場所です
疑問に対しての返事は「水の流れる川の音」が聞こえるというものでした 故郷の国にも勿論川はあるが豊かな水が流れる大河で 段差や岩にぶつかる水の音など無く 川の水の音が聞こえることは 素敵ではないかという返事でした
その場所がお気に入りである理由は他にもあったと思いますが この「川の水の音」という言葉に心を打たれました 田舎に行くと田んぼの横の用水路を流れる水の 小さな音 山道を歩くと湧き出る水が岩を伝わって 滴る音 岩を滑り落ちるせせらぎの水の音 水が自然に起こす音は周りに普通にあり 特に意識したことがありません
一歩外に出ると様々な音に囲まれる時代と環境です 騒音を音と感じなくなりその騒音に聞きなれない音が混じると身構えたりします 気にも留めなかった川の水の流れる音 確かに優しくて聴き飽きない音です 騒音にかき消された自然の音は水に限らず身近にあるかもしれません つくばいなど半人工的な水の音を作りだして楽しむ文化もあるのです 近代的な音の中でに暮らす毎日 自然の音を見出す努力をしてみたいと思います