「慢性硬膜下血腫」という疾患  

脳の病気

おはようございます

le vent です

先日同級生(♂)の一人が公共の場で突然倒れ救急車で運ばれたと連絡が来ました 脳の病気だったとのことです お見舞いに行ったけれど「意識が無かった」と・・・

日頃から健康に自信を持っていた同級生でしたので 心配と注意の喚起を伝えてきました 素人同士 脳の病と聞いて不安になってしまったものです  脳疾患でも高齢者に多い脳の病気について いくつか症状や治療を聞いてみる機会に恵まれました  その一つの疾患についてまとめてみました 倒れた同窓生の病とは 関係ないのですが 知ってて悪くは無いような・・ 舌を噛みそうな病名です 

慢性硬膜下血腫 (まんせいこうまくかけっしゅ)という疾患 

発症頻度は人口10万人あたり年間1~2人といわれていますが 60歳以上となると年間4~7人と上昇します 高齢者に多い脳の疾患です

【どのような病気?】頭蓋骨と脳の間に血液が貯留します「慢性」というのは数週間から数か月かけて血液が貯留するためです 血液が貯留することで脳が圧迫されさまざまな症状が生じます

【なぜ起こるの?】考えられる原因には 外傷性 特発性(原因不明)等があります 外傷性が一番多いといわれています 外傷性とは 例えば「家具に頭をぶつけた」「しりもちをついた」などの軽微な外傷です 受傷した時には特に症状は出ません その後徐々に時間をかけて血液が貯留していくのです 特発性とは 特に原因の見当たらないものです ただ誘因として大量の飲酒習慣や 肝臓疾患のある場合 抗血小板薬や抗凝固薬(血液をさらさらにする薬)を服用している場合などに起こりやすいといわれています 原因不明な場合もあります

【症状は?】歩行障害(運動障害)がおきます まず手足の運動障害です 症状は徐々に現れます お箸を使いにくくなる お茶碗が重たく感じる 歩いていると体がどちらかに傾く スリッパがうまく履けない或は脱げてしまう などの症状です 進行すると体の片側の手足が全く動かなくなったり意識障害を起こすこともあります また認知症状が生じてくることもあります 尿失禁 物忘れが激しくなる などの症状です その他に頭痛が長引くという症状もあります 特に若年の場合に多い症状です 痛みの症状に特徴的なものはありませんが なかなか治まりません

【診断は?】慢性硬膜下血腫はCT検査で診断します 

【治療法は?】貯留している血腫の量や症状により治療方法が決まります 一般的な症状の場合は手術が選択されます 手術は局所麻酔です 頭蓋骨に10円玉程の穴をあけ貯留している血腫を洗浄し 約1時間程度で終了します 又内服での治療も行われます 漢方や止血剤などが使用されます

【予後】一般的に予後は良好です 血腫が消失すれば症状は軽快しますが 高齢であったり症状の重症度次第では後遺症が残ることがあります。

【経過】再発が3~20%と高い疾患です 術後しばらくは定期的なCT検査を行ないます 再度血腫が貯留している場合は再度の手術 内服を継続することになります

「慢性硬膜下血腫」は治療すれば予後良好な疾患です 自覚症状があればCT設備のある病院で診断を受けて下さい

というお話でした 

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