時代小説 気になる本

地平線の夕日

おはようございます

le vent です

心に引っかかっている時代小説があります タイトル名も作者も分かりません 江戸の豪商の一人娘が押し入った盗賊たちの残虐な殺害現場からただ一人助かって その後数奇な運命をたどる内容です 人生に落ち着きが芽生えたころ 伊勢参りの船旅で台風に巻き込まれ難破 漂流 ハワイに漂着し 最終的にアメリカ本土に渡ったところで終わっていました 

ハワイからアメリカに渡った船の名前も日付も明記してあり 一概に創作ではなかった印象です 数回読みました アメリカ本土に渡った記録はあるけれど その後は資料がないという終わり方でした 不完全燃焼です もう一度読みたい本です  

近所にあった公立図書館の支所というか出張所を利用し始めたのはリタイヤの後です 蔵書は児童書から各種雑誌 郷土史 小説 文庫 身近なノウハウ本などと一応揃い 分野ごとの蔵書数は偏ってはいましたが楽しむのには十分で さらに図書館の場所が近くという利便性がありました

本棚には作家別に作品が並び本を自由に選びだし パラパラと見るだけでも 時間が過ぎるのも忘れます 時代小説は剣豪ものや歴史ものなど長編しかなじみがなく 娯楽ものを始め男性作家の独壇場と思い込んでいた無知さです 女性作家の作品の多いことには新しい発見と感動でした  

時代小説の短編には テーマに心が安らぐものが多く 市井や下級武士のつつましい暮らしと 優しさ 哀しさ 情愛など 質素で 凛とした生き方の主題は 読んでいて穏やかな気持になり 毎日が日曜日のle ventには安心して読めたのです 次第に時代小説を親しむようになりました

読んだ本のタイトルや作家の名前は あまり記憶になく本の内容だけが強く残ります そのため度々 同じ本を借りるという無駄もいたしました 家に帰って数行も読んで見て 既読に気づくのです 主題の展開 表現の巧みさ 文章の美しさなど そのすばらしさが 時間を忘れさせてくれました 読書のルールを無視して内容ばかりを追った報いは起ります 

古い小さな図書館は統合の為閉鎖され 新しい図書館の場所は歩ける距離ではありません 一度訪ねてみました 燦燦と光が十分に入り カフェのように椅子とテーブルでその広さを埋めたサロンになっていました 肝心の本棚は一方の隅に形ばかりです 古い図書館の方が圧倒的に蔵書は多かったと感じます 二度と行く気にはなれません 古い図書館ならば 気になってる本もアナログ的に探せたものをと 残念な思いです 

 

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