おはようございます
le vent です
もう年齢は十分おばあさんになっているのに 頭の中にあるおばあさん像は 幼い頃 回りに いたおばあさん達にたどり着きます おばあさんとは 穏やかで優しい皺だらけのお年寄りのことだと思い込んでいる節があります 時代も変わり 社会も変わり 人も変わりすべてが 変わって行く中で おばあさんに関しては幼い頃の記憶が強烈で いまだにジーパンをはく自分はおばあさんとは別物のような気がします
春の陽ざしを浴びて タンポポや土筆や蓮華の咲くの田んぼの畦道や土手 家の廊下に腰を下ろして 休んでいたおばあさんの姿 まるで昔話のワンシーンのようですが そのような姿はどこにでも見られて そのうち姿が見えなくなるものでした 身なりは貧しくても表情は優しく穏やかで 何事にも動じないような雰囲気がありました
当時の都会のおばあさんには どのようなイメージを持てばいいのでしょう 都会で生まれ育ったおばあさんには どのような老後の場面があったのかと思うことがあります 皆 裕福で茶人のように風流に過ごせた方たちばかりとは限らないと思うのです テレビのコメンテーターなどの毅然となさった初老のご婦人方の姿は都会的で あの方々の時間を戻したイメージの毎日だったのかなと思ったりします
「都会のネズミ 田舎のネズミ」という童話があります 都会にも田舎にもその長所短所はあります 同じ時代の時間を 別々の環境で過ごしたおばあさん達は お互いの情報交換はまずなかったはずで独特の価値観も生じたことと思います どの環境で人生を送ったかは後の世代まで引きずる気もします
テレビで放映された「 花のあとさき」 の中の「ムツおばあさん」 自然に還る自然に戻すという生きざまは ムツおばあさん自体が自然と同化しその人生の足跡も自然に還っていくのだという感動を受けました 中途半端に都会にやって来て田舎との様々な違いに翻弄され 自分の居場所が定まらないle ventには 両足をしっかり大地に根付かせた ムツおばあさんが 幼い頃の 田舎のおばあさん達の優しく穏やかな姿と重なったのです
現代のおばあさん像は難しいものです それにしてもおばあさん達の記憶は鮮明なのに 同じく幼い頃の近所のおじいさん達の姿や記憶が全くないのは なぜなのだろうと思います