大人の事情 都合 

地平線の夕日

おはようございます

Le vent です

お掃除が好きなわけでもないのに 小さな家に 掃除機がとりどり4台もありますので 部屋箒はいりません  掃き出し窓もいりません 

幼い頃はお茶を飲んだ後の茶殻を絞って畳の部屋にばらまき 箒で埃を絡めながら 掃き出して掃除していました 天気が良い日の朝は 朝の光線が斜めに部屋に射し その光の帯の中に 埃が盛んに舞っているのがよく見えました ぼんやりその光の帯を見ていた記憶はありますが 光の帯以外の空間も 同じくすべて埃だらけなんだとは考えもせず その場を離れることもしなかったように思います 

就学前のある日 朝の早いうちに連れられて尋ねた農家があります 誰が一緒だったかは覚えていません その農家は玄関を兼ねた広い土間があって 上がり框の中央辺りに囲炉裏がありました 外から土間に入ると中は暗く なかなか目が慣れず どこからか差し込んでいる白い光線の帯が真っ先に目に入りました 上がり框の中央辺りに囲炉裏があって 土間と仕切もない囲炉裏のある広い板の間は 床も 壁の戸板も黒く光り 天井は真っ黒にくすみ 幼い子供にはとにかく黒い広い空間に思えました 

射しこんでいる光の帯には 煙が薄くゆっくりと漂い埃が舞っていたのです なぜかこの斜めの光の帯を鮮明に覚えています 余程印象的だったのでしょう 囲炉裏の上座には その時「お福さん」のような背中を丸めたおばあさんが逆光の中で座っていました 顔はよく見えずその姿だけが記憶にあります 手招きされて小さなお菓子のおひねりを貰いました おひねりを包んだ紙の白さの鮮やかだったこと このおばあさんは le vent の早くに亡くなった父方の祖母だったらしく この時が初めての対面で二度と会うことはありませんでした 大人の事情です 

大人の事情や思惑が le ventのその後の生き方 人生に影響してきていることが多くあります 親の愛を始め 生きるための様々な知識や知恵など 引き継ぎや教えが不足していたという気がします 親は唯従うだけの存在でした 何も相談できず 社会に出てからはあちこち頭を打ちながら 人生をひたすら独断の価値観で良かれと必死に生きえ来たのです が それは皆も同じだと信じていました  

自分の親に罪悪感を持ちながらも友の親を慕った記憶があります 人生を振り返ってみた時 ターニングポイントでの選択時 その結果は別として 判断に必要以上にあった親への遠慮 恐れ 一方 友人たちの親との忌憚のない親子関係を当時不思議な目で見ていたことでもわかるのです 

親のせいにしているようですが 机上の理論では表せない細かな日々の積み重ねが 生きる基本になります 唯々親のご機嫌をとるだけの生き方しか知らなかったle vent ですが 今のように情報がある時代であったら きっと希望に向かって頑張ったと思います 

不運や不甲斐なさを悔やんでなくなった先人は数えきれないほどだと思うのです 今希望や夢をひそやかにでも抱いている方々 親の事情や都合で自分の人生を左右されるほどの社会環境ではありません 頑張って!!!  

 

タイトルとURLをコピーしました