蝉のこと 

動物

おはようございます

le vent です

今年は蝉の声が少ないと思っていたら 梅雨明けと前後して一斉に鳴き始めました 子猫の額ほどの庭とも言えない空間に不似合な大きな木があります 毎年その根元付近に 直径で2センチ足らずの小さな穴があちこちに開いて 一体何だ なんの穴だ と 気味がが悪かったのですが 最近 蝉が抜け出してきた穴だと気づきました 

夏休みの昆虫採集の最大の犠牲者だった蝉 最近はできるだけ大事に見守っています 元気に鳴いている姿を木の枝に見つけるのが楽しみです あの小さな体のどこにエネルギーがあるのか と疑問に思うほど大きな響きです 羽根を震わせながら枝を擦り下りてくる器用さもあります 

先日 バッハの寝る前の用足しの時 地上から5 60センチの高さのネットに 枯れ葉と見紛うような何かが目に入りました よく見ると蝉が殻から抜け出したばかりの姿です 防犯灯に照らされたその姿は 羽根の色はまだ白く眼が黒く輝いています 手はしっかりと殻にしがみついていて呼吸を整えているようにみえました 眼だけは 白っぽい体とは対照的に 黒く深く澄んだ美しい光を放って存在感がありました 明日は元気に鳴いてね!

今年は例年になく不幸な蝉との出会いが多いのです 殻から半分体を抜け出したところで息の絶えた蝉 片羽根が二つ折れになったままで開かないずじっとしていた蝉 殻にほぼ入ったままの丸い蝉の死骸など 小さな庭先でも蝉の不幸な世界があります 地べたにはいつくばっている蝉 動きの遅い蝉など 見つける度に木の枝に這わせています 

今年に限らず 歩道の真ん中で仰向けになって死んでいる蝉を見つけると 思わず道の端にかたずけます 踏みつけられた蝉の死骸は まともに見ることはできません 今年のように蝉の不幸な姿にまじかに接すると あの小さな穴からやっと這い出してきた蝉の不運さに心が痛みます  

 

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