おはようございます
Le vent です
お隣の住人は もう90才を越えた老婦人です 一人暮らしをなさっています お隣同士になって数十年になりますが お隣同士ではあっても たまにしか顔を合わせる機会はありません
会う確率の高いのは「ごみ」の収集日です 手押し車をゆっくり押しながら歩く姿に出会うのですが 最近は足の運びもおぼつかなく 手を出そうとすると リハビリだからと笑って断られます
お互いに深入りしないお付き合いで 目に見える範囲しかお互いのことは 知りません 幸か不幸か境界の塀と木は視線と声を遮る高さです 窓はお互いの灯りや 開閉が 隙間から見えます ご近所の回覧等もありませんので お会いする機会も限られます
お昼時になっても窓が開く様子がなく心配した経験があり それからお隣の窓の灯りや開閉を注意するようになりました 頼まれたことでも無く偶然お会いした時 その事をお断りしたのです お返事を心配していたのですが 意外にも大層お礼を言われ 「自分もあなたの窓を見て安心するの」 お隣との距離感が狭まったような思いがしました
最近偶然お会いすることがあって 立ち話の間に非日常の買い物の依頼を受けました お届けした時に 両手を広げるように笑顔で歓待され 引き止められ 過去にはあり得なかったに距離に戸惑ったのです 記憶力のすばらしさ 社会への関心の深さ 素晴らしい年の重ね方です 教わることの多さ
「あなたは娘みたいな年齢ね」ご婦人の年齢まで le vent がもし生存するとしたら 知力も体力も 徐々に変化する過程の お手本かもしれないと考えながら 窓を見るようになりました